日本人の私が広東語を勉強するメリット

日本人がいかに独学 低コストで広東語を身につけるか

CD付広東語テキストの使い方

広東語歴15年のらくだです。

 

広東語学習を開始するとき、だれでもまずは書店やアマゾンで広東語の本を検索して分かりやすそうなものを1冊選んで、それを使うことになると思う。

 

この場合、たいていCDが付いていて、これをはじめから聞くことになると思う。

私が使っていた広東語テキストはこれです。

 

今すぐ話せる広東語単語集(東進ブックス)

山本康宏著

2001年11月1日

 

私も15年前香港に来て生活を始めたとき、このような経過をだどってきた。

結局1か月で挫折して、その後2年間は積極的に広東語の学習をしなかった。というより仕事で必要なので、テキストを見たりCDを聞いてみたりしていたが、これといって進歩はなかった。

 

当時買ったテキストとそのCDが今も残っていて、通勤時に車の中で聞いてみると、当たり前の話だが、聞こえてくる広東語をほぼ全て聞き取れる。15年前は音が頭のなかを素通りしていただけだったが、今は意味として頭の中に残る。そして決定的な違いは、聞き取れた音をしばらく記憶にとどめて置いて、発話に応用することができる。

 

やはりCDの使い方は、ある程度聞き取りの力が付いてきたときに流しで聞くことが効果的であるし、また時間を有効に使うことができると思う。

 

学習初期段階で、頭の中に何も蓄積が無ければ、何度音声を聴いてもザルのように何も記憶に残らないということになる。

 

また、このような方法が楽しいのは、やはり15年前の自分と今の自分を比較して、自己満足しているからなのだろう。

どんな外国語でも同じだと思うが、学習過程で、私自身が成長したという実感があれば、学習を継続できるものだと思う。たとえ錯覚であれ、この実感を見つけ続けることができれば、外国語の学習を継続することは難しいことではないと思う。

 

以上

#広東語

香港在住15年の私が広東語スキルアップのために使っている方法

広東語歴15年のらくだです。

香港人妻と娘のいる日本人男性です。

 

広東語に限らず、外国語はやればやるだけ深くなっていき、ゴールというものはないと最近思う。一生努力していくものなのだろうと思う。

 

毎日自家用車を運転して出勤しているが、片道で30分ほどかかりこの時間をうまく有効活用したくて、最近こんな番組を聞いている。

 

香港電台がやっている「podcast 遇見文學」 です。

 

世界の文学者について、ふたりの香港人女性がトークを広東語で展開する番組ですが、私のように文学に興味のある人間には、大変面白い。

 

この番組を自家用車を運転しながら聴いていて、分からない単語が出てきたら、手元に置いている小型の録音機に録音して、あとで調べるようにしている。

 

番組の内容はやや上級編で、初学者には難しいと思うが、繰り返し聴けるので、好きな文学者のものは何回聴いても楽しい。繰り返し聴いているうちに、広東語のリズムも身につくし、何よりも文脈のなかでも単語の意味を覚えられるので、忘れにくい。

 

この方法はおススメします。

 

以上

#広東語

広東語版「星の王子さま」を読む

広東語歴15年のらくだです。

 
これはずいぶん以前に買った本ですが、広東語版の「星の王子さま」です。
 

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Bleu藍出版

ISBN 978-988-77324-7-1

HKD 68

 

「星の王子さま」の中国語版はいままで香港でも3、4つの出版社が出していましたが、この広東語版が今までと違っていることは、香港人がふだん口語として使っている広東語で書かれているという点で画期的だということです。ちょっと声に出して読んでみるとわかりますが、耳で聞いていて非常に心地よいほど口語化されています。
 

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三聯書店(香港)有限公司
ISBN 978-962-04-2034-4
HKD 28
 
一方、以前に買ってとっておいた三聯文庫の「星王子」は繁体字ですが、中国語の書き言葉になっていて、もしこれを広東語で音読しても口語のように耳からすんなりとは入ってこない。
 
例えば、最初の文を比較すると
 
広東語版:我六歲嗰年,
(ぼくが6歳の時、)
 
中国語版:我六歳的時候,
(ぼくが6歳の時、)
 
ここからして全く違うわけです。
つまり、香港人が普段、会話で使っている広東語を学ぶなら、「広東語版」をテキストにし、書き言葉を学ぶなら、「中国語版」を使えば良いわけです。
 
上の写真の三聯文庫の中国語版も、香港で出版されているので、当然広東語ですが、目で読むためのものとして書かれています。
 
これら2つの教材に加えて、広東語版の音声があれば、広東語学習の教材としては十分ですね。
 
以上
#広東語

広東語で警察官のことを何と呼ぶか?

数か月前から、我が家ではフィリピン人のお手伝いさんに来てもらい、家事と子供の面倒を見てもらっている。なお、香港では、決して金持ちではない家庭でもお手伝いさんを雇うことが多い。私の観察では、香港人女性は、あまり家事をやらない。正確に言うと、家事をやらなくてもよいような仕組みが社会に整っている。

 

お手伝いさんの給料は、5000ドル未満(70000万円前後)で、食事は一緒に食べるので、彼女たちは食費はかからない。

また、住み込みで働くので、家賃も払う必要がない。

母親が朝から晩まで家事をやっているような家庭で育ったわたしには、香港人女性は大変恵まれているように思える。

 

ところで、お手伝いさんは、私のことを「Sir」と、香港人妻のことを「Madam」または「Mam」と呼んでいる。

 

このこと自体、日本で育ったわたしには新鮮で、またひとつ香港社会を垣間見た思いがした。

 

さらに、香港人妻がお手伝いさんと話すときは当然英語だが、その会話のなかでわたしのことを言うとき、「阿Sir」と呼ぶ。

 

例えば、阿Sir will come back home at 6:00 and have a dinner with us.

(旦那さんは6時に帰ってきて、私たちと夕飯を食べます)

 

なんとなく自分が偉くなったような感じがした。

 

「阿Sir」というのは、英語の「Sir」に広東語の「阿」という親しみを込めた言い方を付け加えてもので、警察官のことも「阿Sir」と呼ぶ。

 

例えば、前面有好多阿Sir、小心D

(前のほうに警察官がたくさんいる。気を付けて)

 

こうした呼び名などは、広東語の教科書ではなかなか見られない。

私も広東語歴15年目にして初めて知った。

 

このような発見を面白いと思えるひとには、香港人と結婚することをおススメします。

 

以上

#広東語

 

広東語 最強アプリ:広東語歴15年の私が、広東語の語彙をどうやって増やしているか?

香港人妻と暮らす、広東語歴15年のらくだです。

 

広東語の語彙をもっと増やさなければならない。

 

香港に住んで、広東語を使って仕事をしていると、広東語の語彙が増えるとそれだけ表現できることが増えるので、語彙をどうやって増やすかというのは、私にとっては切実な問題です。

 

香港人妻に、広東語の辞書を片っ端から録音してもらったらどうかと考えたこともありますが、まずやってもらえないと思う。

 

車で移動中にラジオを聞き流して、気になった単語を、その場で録音機などを使ってボイスメモしておき、あとで時間があるときに調べるということを最近やっている。

 

この方法は爆発的に語彙を増やせるというわけではない、時間がかかるというデメリットがあるが、一方で、だれにも迷惑をかけずに自分のペースでできるというメリットがある。

 

やはり成人して語彙を増やすとなると、継続して意識的に努力をしていかないといけない。そうやって覚えた新しい単語が、ぴったりの場面に出くわしたときに、口から出てきたときの快感は何にも代えがたい。こういう満足感というか幸福感は、ネイティブの香港人たちには分からないだろう。私はこれを広東語を学習するメリットに数えてもよいと思う。

 

またラジオはニュース番組にしろ、話し言葉(口語)が基本なので、聞いていてもすんなり頭に入りやすい。しかし、例えば、本を朗読してもらってそれを聞くとなると、日本語ではそれほど感じないが、これが広東語だと、話し言葉と書き言葉の壁がやはり大きく感じられる。

 

そこでラジオのおススメですが、

私は HK Radio というアプリを長く使っていて、「香港電台 第一台」または「香港電台 第二台」のトーク番組を聞くことにしている。

 

このアプリの良いところは、録音機能があり、あとで音声を確認することができる。

 

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また、RTHK.HK のホームページにも様々なコンテンツがあり、特にpodcastのページに飛んで、そこで自分の興味にあったものを探して聞けばよいと思う。

https://podcast.rthk.hk/podcast/

 

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以上

#広東語

 

広東語版 中村文則「掏摸」を読んでみる

香港人妻と暮らす、広東語歴15年のらくだです。

 

日本の現代作家の作品も、多数中国語に翻訳されています。先日の松本清張「半生の記」と同じく、ほとんどが台湾で出版され、香港に輸入されてきています。

 

「掏摸」

中村文則著

葉韋利譯

 

厳密に言うと、「掏摸」の広東語版というより、台湾の中国語版ですが、読書人口が少ない香港では、出版される本も少ないため、台湾からの輸入本が多い。

しかし、文字は繁体字であるため、読む分には問題はない。

 

少し引用します。

 

p.47

到了深夜一點,

我們坐上休旅車,在車子𥚃換衣服。穿上莫名合身的衣服,傳來一陣噁心的体臭。那幾個男人掀開車內地板的墊子,露出一塊黑色板狀上蓋,𥚃面是中空的。「日本刀就放在這邊的座椅𥚃面。」高大男把衣服塞進地板間的空洞𥚃,一邊說。「連毒品也是,什麼都在𥚃面。連人也放得進去。」

 

深夜の一時になり、ワゴンに乗った。中で着替えをし、なぜかサイズの合う服に身体を通すと、苦い体臭がした。男達が車の床のシートを外すと、板状の黒い蓋があり、中が開いた。「日本刀は、こっちの座席の中にある」背の高い男が、床の空洞に服を入れながら言った。「麻薬でも、何でも入る。人間を入れることもできる」

 

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「ワゴン車」を「休遊車」という中国語にしていますが、これは広東語では「七人車」というでしょう。文字通り七人乗りの車なのでこう呼びます。

 

「麻薬でも、何でも入る。人間を入れることもできる」

この部分が、

「連毒品也是,什麼都在𥚃面。連人也放得進去。」

と中国語に翻訳されています。

この文章だと、「麻薬でも、何でも中に入っている。人間も入れることができる」となり、実際に中に麻薬などが入っているという意味になってしまい、日本語文とは異なる意味になってしまいます。

 

おそらく日本語の文章通りに中国語化すると、

「連毒品也是,什麼都放得進去。連人也是。」

がしっくりくると思います。

 

こうやって日本文と中国文を比較しながらいろいろと考えるのが面白いです。

 

以上

#広東語

広東語の童謡を使って学習する

香港人妻と暮らす、広東語歴15年のらくだです。

今日ぶらりと商務印書館に立ち寄ったとき、このような本を見つけました。

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廣府童謠氹氹轉

甘於恩 主編

中和出版

HKD 78

QRコードがあり、広東語の音声を聴けます。また、童謡の歌詞の上に、ピンインが付いているので、発音の確認もできます。

広東語の学習本は、まだまだ日本では少なくて、使えるものはほぼ無いと言ったようがよいですが、本場の香港には、外国人が多いだけあり、毎月新しい教材が出版されています。

これは日本にはない教材でオススメです。

以上
#広東語