「私の外国語」(梅棹忠夫 永井道雄 編)を読んで、新しい外国語学習方法を考える
香港に来て香港人の妻をもらって、私と広東語の付き合いはもう10年以上になったが、いまだに広東語については分からないことが多い。
私にとって母国語である日本語も含めて、言語はいくつになっても学習し続ける必要があるものであると考えたほうが良いかもしれない。
私は広東語の学習に行き詰まったときなどに、よく「外国語」に関する本を読んで、新しいヒントを探すことにしている。
そこで今回読んでみたのが、
「私の外国語」(梅棹忠夫 永井道雄 編)
中公新書 225
初版が昭和45年7月25日の古い本である。
この本は、20人の外国語学習経験者が自分の体験を語っているというもので、外国語学習者の私にとってはヒントの宝庫である。
その20人とは以下の通りである。
この本を買おうと思っている人に情報提供するつもりで、名前を列記してみる。
飯田善国
池田健太郎
石井米雄
梅棹忠夫
大森実
小田実
加藤秀俊
木下是雄
國弘正雄
斉藤孝
高橋徹
竹内実
辻静雄
ドナルド キーン
永井道雄
堀越孝一
増田義郎
松田道雄
山田晶
湯浅叡子
知らない人も数多く含まれているが、そんなことは気にしない。
これをパラパラと読んでいて、辻静雄さんがこんなことを書いているのが参考になると思った。
p151
「これは私がいろいろな人の書簡集を読むのが好きなので、あれこれひっくり返しているうちに、自分のいいたいようなことを的確に表現しているような文章にぶつかると、メモしておくのが役に立っているようです。」
p152
「最近、たくさんの外国文学の翻訳が出ていますから、原本があって、りっぱな翻訳があって、そして辞書さえあれば、今日ほど語学の独学(どんな学問でも、とどのつまりは独りで自分の道をきり開いて自分自身に一番適切な方法を探すしかないのでしょうが)の、やりやすい時代はないでしょう。意地悪な言い方をすれば、今日、これだけお膳立てができているのに、わかるようなならないなどと、たわけたことです。」
本などを読んでいるとき、またはニュースなどを聴いているときに、出会った表現で良いものをメモっておく。そして、いつも目につくところに貼っておいて、機会があるごとに、それらの表現を実際に使ってみる。
これは広東語に限らず、その他の外国語を学習するときに効果のある方法です。
また、好きな本の原本と翻訳本を見比べて、研究することは、無味乾燥なテキストを使うよりも何倍も効果がある方法です。
この方法を早速使ってみようと思う。
以上