日本人の私が広東語を勉強するメリット

日本人がいかに独学 低コストで広東語を身につけるか

中国語版「松本清張 半生の記」を読んでみる

以前に買っておいた本が役に立つときほど嬉しいことはないと思う。

 

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4年ほど前に、香港「商務印書館」のホームページ上で注文しようとして在庫がなく、尖沙咀の書店に行って、台湾から取り寄せてもらった本。
 
繁体字中国語版
「半生記 松本清張」(麥田出版)
HKD 80
 
台湾から取り寄せてもらったのに、確か合計で$80しか払わなかった記憶がある。
台湾から大量に入ってくる書物の中に紛れて香港に届くので、運賃は微々たるものなのか、と想像した。
 
日本語版の松本清張「半生の記」はすでに読んでいて、私の愛読書のひとつですが、好きな日本語の本をもう一度中国語やその他の言語で読むのが私の楽しみのひとつです。
 
外国語が好きな人には、このような習慣を持つ人も多いでしょう。
日本の本、特に文学書が中国語に翻訳されて、香港で多く販売されているので、こうした本が容易に、また安価に入手出来るというのは、香港に住んでいるメリットだと思う。
 
愛読書と言っても、毎回全部読み返すわけではなく、気に入った箇所(数行)を日本語と中国語とで比較しながら読むということをしている。
 
そういうと、特に外国語が好きではない方からは、「そんな意味のないことを。。。」と思うことだろう。
私の妻は香港人で、特にこういった文化的なことについては全く理解を示さない人間ですが、外国語好きにとっては、楽しいのです。
 
以下に引用してみます。
作家 松本清張のキャリアが始まる感動的な場面です。
 
文学とか小説とかいうことに下心のない私には無関係なことだったが、ある日、必要があって百科事典を繰っていると、「西郷札」(さいとうさつ)という項目が目についた。
何気なく読んでいると、その解説から一つの空想が浮かんだ。私にはなんだかその空想が小説的のように思われた。つまり、小説になるように考えられた。
 
這對文學或小說不懷夢想的我,是沒有任何關係的,直到有一天,我翻閱百科全書時無意間看到「西郷紙幣」這樣個條件目。我隨意閲讀著,腦袋中突然閃出一個念頭。我認為可以把它寫成類似小說的東西,因此開始構思小說架構。
 
このように全く直訳しているわけではいようで、一番最後の中国文は「そして小説の構想を始めた」という意味になっていますが、全体の内容には影響ないのでこのままにしているのでしょう。
こういう意訳の部分を探すのものなかなか面白いと言えます。
 
以上
 
#広東語

香港家庭の言語環境は?②

前回「香港家庭の言語環境は?」に続き、必ずしも必要ではないフィリピン人のお手伝いさんを、なぜ我が家は雇うことになったかであるが、結局は、娘の言語環境にとって好ましいと思ったからである。

 

フィリピン人のお手伝いさんはほとんど広東語が分からないので、どうしても英語を使って意思疎通をすることになる。英語のレベルは個人でそれぞれ違うが、フィリピンでは英語は公用語に指定されているので、基本的に問題はない。

なので一日中お手伝いさんと遊んでいる娘は、自然と英語を話すようになる。

 

香港で英語教師をひとり雇って娘に与えたら莫大なカネが必要になってくるが、決して効果があるとは言えない。お手伝いさんだと、基本的には家事雑用をしてくれて、少しでも私や妻の時間を節約してくれる上、娘の面倒を英語を使ってみてくれるので、一石二鳥と言える。したがって、フィリピン人のお手伝いさんを雇うことにしたのである。

 

また、今のコロナの状況では、学校がいつ再開になるかメドがたたず、自分で娘を教育していなかければならないからである。

 

やはり効果はテキメンで、娘はお手伝いさんと話すときは英語、私と話すときは日本語、妻と話すときは広東語、妻サイドのおばあさんと話すときは、中国南部の方言と器用に使い分けている。

 

私の持論として、言語は浅く広く知っていても意味がなく、継続的に努力をして、語彙のレベルを高めていく必要があり、レベルが高まるほど、各言語が楽しくなるということだと思う。子供は覚えることも速いが、同時に忘れることも速い上、努力をするということをまだ理解できていないので、この点を補っていかなければ無駄になる。

 

この点を怠っていると、軽くあいさつ程度はできるが、重い内容のあることは話せない、的確に表現できない、などということが起こってくる。

 

いずれにしても、日本で育ち大人になった私からすれば、よだれが出るほど羨ましい言語環境で育っている娘だが、高いレベルの言語習得は、結局個人の努力にかかっているということを少しずつ教えていきたいと思う。

 

以上

香港家庭の言語環境は?

私の家は、日本人の私と、香港人妻、娘ひとり、それに、半年前からフィリピン人のお手伝いさんの4人暮らしである。

 

私が日本に住んでいたときは、お手伝いさんを雇うなどとは考えたこともなかったが、ここ香港では、一般家庭がお手伝いさんを雇うことは決して珍しいことではない。

 

香港では共働きをしている家庭がほとんどで、どうしても子供の世話のできるお手伝いさんを雇うことになっている。

お手伝いさんの一日のスケジュールはそれぞれの家庭で決められており、「家規」として様々な規則が定められている。

例えば、一般的な例として、お手伝いさんはお風呂は20分以内に終了せよ、雇い主の寝室には入るべからず、子供にミルクを飲ませるときはまず温度を確認せよ、昼寝は決してするべからず、などである。

 

仕事時間は、一般的に6:00~22:00までの16時間労働。賃金は、最低 HKD4630ドルと法律で定められている。日本円に換算すると、約62500円程度になる。

平均的な香港人の収入が、HKD20000ドルなので、共働きでHKD40000ドルとして、月収の11.5%がお手伝いさんの収入として消えることになる。
決して多くない給料で働いているお手伝いさんだが、フィリピン人の場合、10年ほど働いて帰国した場合、貯金で家がひとつ買えるということなので、我慢して働いているということのようである。

 

お手伝いさんに対する待遇は、各家庭によってさまざまで、自分のプライベート用の部屋さえなく、リビングルームで寝起きさせ、バストイレも自宅のものは使わせず、毎回マンションに設置されている娯楽施設まで行って用を足させるような家庭から、BMWのような高級自家用車を運転させて子供の学校の送り迎えをさせるような家庭までさまざまである。

ちなみに、我が家は基本的に自分のことは自分でやるというスタンスなので、お手伝いさんは娘の世話をするだけで、自分用広い部屋もあり、かなり恵まれているほうだと思う。

 

日本で育った私からすると、我が家でお手伝いさんにやってもらっていることは、子供と一緒に遊んだり、ご飯を食べたり、お風呂に入れたり、トイレの始末をしたりと、日本なら母親が進んでするようなことだが、香港人の女性はこういうことを進んでやろうとは決してしない。かといって私の妻は仕事をしているわけではない専業主婦なので、忙しくはないのだが、とにかく家事をやりたくない、そんなことに私の貴重な時間は使いたくないというのが妻の言い分で、これは香港人女性の考え方を代表していると言える。

 

つづく

将来 広東語はどうなるのか?

午後、香港島の湾仔地区を車で走っていると、学生らしき若い男女30名ほどが小規模のデモをしていた。各々がプラカードを持って広東語で叫んでいるのが聞こえたが、車で素通りしただけなので、何を言っているのかは聞き取れなかった。

 

実際に現在香港に住んでいる日本人としてみると、香港は今、中国とアメリカに翻弄されているように思える。

 

コロナ問題が収束すると、今度はまた以前のデモ活動が始まるでしょう。

 

例えば、今、日本在住の日本人にこう質問したらどういう答えが返ってくるだろうか?

 

「香港で不動産(マンション)を買いたいと思いますか?」

 

おそらく大半の人が、「いいえ」と答えるだろう。

なぜなら、ニュースで、香港でのデモ活動の記憶がまだ新しいから。

 

しかし、香港では今でも新築マンションが発売されると、数時間で完売されるというほど人気があり、また需要がある。

 

私なりに考えると、それには以下の理由があると思う。

 

1)香港人にとって自分の家を買うことが人生最大の目的のひつとである。

 

2)香港人は香港の将来について楽観視している。

 

3)インフレが進むなか、不動産購入をその対抗策と考えている。

 

車の駐車スペースは、香港でも投資の対象だが、これも値上がりを続けている。

当然場所にもよるが、HKD200萬(約2800万円)でも決して高くはない。

最近香港人の間では、近い将来、駐車スペースだけでHKD300萬を超える日も来るだろうと話し合っている。

 

2047年前後から、香港は中国の中の大都市として発展していくでしょう。

大湾区のなかのひとつの都市として、今までの香港という特別な都市ではなく、北京、上海、香港というように認識され、その中で発展していくでしょう。

 

北京では北京語、上海では上海語、香港では広東語というように、広東語はその後も永遠と使われ続けると思う。

 

今、中国語といえば北京語を学ぶ日本で、あえて広東語を選ぶことは、先見の明があると言えるかもしれない。

 

以上です。

今、日本人が広東語を勉強するメリットとは?

日本人が広東語を勉強するメリットとは何でしょうか?

 

香港に来て十数年経ち、香港人妻と暮らしているうちに、広東語がますます空気のような存在になってきていますが、改めてこの問題を考えてみたいと思う。

 

2008年のリーマンショック後、中国大陸からの旅行者が急増し、香港のホテル業、小売業、レストラン業は景気が良く、友達同士の会話で、大陸の普通語を混ぜて話す若者が良く目立った。

 

その後、中国大陸の富裕層が香港の不動産を買い漁り、不動産価格を上げるという状況が来ると、香港人の反感を買うようになった。

 

2019年6月ごろから香港政府に対する運動が盛んになり、中国人旅行者も制限され、香港の経済は冷え込みはじめ、コロナの影響も加え、大打撃を受けているのが現状である。

 

そんななかでよく日本に住む友人から

「今後、香港は大丈夫だろうか?」

と聞かれる。

 

私は正直、香港の将来については楽観視している。

 

その理由として

1)人口が毎年5万人ほど増加している。

2)不動産価値が安定している(増加している)

3)あらゆる面で法律が整っている。

4)税金が安く、富裕層に好まれる。

5)将来世界をリードする中国に隣接している。

6)気候が安定しており、自然災害が少ない。

 

ちなみに、現在の日本が満たしているのは、法律面が整っている点だけで、

税金が安いわけではなく、富裕層からは敬遠されている。

 

2047年の香港返還まで、またはその後も、香港人は広東語を使い続けるでしょう。おそらく、2047年の数年まえから徐々に、街中の表記に普通語が加えられる、学校教育で普通語が必須科目となる、公務員試験で普通語が加えられるなど、様々な変化が起こるでしょう。こうしたなかで、香港人は広東語に対する愛着を逆に強くし、香港でビジネスをする、人間関係を作るなどの過程で、広東語を話すということが大変重要な意味を持ってくることは間違いないと思う。

広東語を話す日本人と普通語を話す日本人がいたら、香港人は以前にも増して、広東語を話す日本人に対してより強い仲間意識を感じるようになるはずです。

 

現在でも広東語を話す日本人はその他の外国語に比べて圧倒的に少ないと言える。学習者自体も、その他の英語、中国語(普通語)、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語などに比べると圧倒的に少ない。それをメリットだと考えて、今から広東語に取り組むことは先見の明があると言えるかもしれない。

 

以上

 

オススメ 広東語学習教材の中身

もし今自分が広東語を始めるとしたらどんな教材を使うか、前回書きましたが、中身を見ていきます。

 
粵語小詞典
HKD 92

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中身は初歩的な語彙は少なめで、中級から上級のものが多いです。

実際に香港人が生活の中で使っているものが中心になっています。

 

p120

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実際に中身を見ないと分かりにくいので、p120を見ると、例えば、「靚女」という語句の意味として

1)きれいなお姉さん

2)大衆食堂のおかゆ

 

私は香港に10年以上もいて香港人妻もいますが、2)は知りませんでした。

 

英語で言うとスラングにあたると思います。

正直香港人同士の会話ではこういった語句が頻発してくるので今の私でも100%会話についていけるかどうかはそのとき次第です。

 

この本で地道に語彙を増やすしか方法はないと思います。

 

 

前回もうひとつ紹介した本ですが、

 

外傭廣東話秘笈

HKD 88

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香港で働くメイドさんのために編集された本なので、英語と広東語の表記があり、日本人の学習者にも理解しやすいです。

 

香港は毎年人口が5万人も増えており、外国からの移民も多く、広東語を外国語として学ぶ香港在住者が多い。そのため、広東語の教材は日本で出版されているものに比べて、バラエティがあり、内容も実践的と言える。

 

この本の内容は、メイドさんが現場で使う語彙や表現を想定して作られていますが、実際にメイドさんは香港人の一般家庭内で仕事をするので、メイドさん以外のひとにも使える内容になっているので、その点は安心して良いと思う。

 

香港のメイドさんですが、決して香港の金持ちのみが雇っているわけではなく、平均的な所得水準の家庭やそれ以下の家庭でもメイドさんを雇うことが一般的です。

それは香港では夫婦共働きが普通だからでしょう。

 

広東語をやろうと思っている方は参考にしてください。

 

以上

広東語の学習初期段階でぜひ欲しかった教材2点

数日前にツイッターで書いたことだけれども、外国語をやる場合、いろいろな教材がありすぎて迷ってしまい、悩んだ末に買っても数回見ただけで使わないという人は多いと思う。


結局、外国語は以下の3点で十分だと断言して良いと思う。


もっと言うと、学習の初期段階では、1) と 2) だけでも十分ですね。


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そこで今日書店に行ったときに、もし今から自分が広東語の学習を始めるならどんな教材を買うか検討してみました。


それはこの2点。


1) 辞書

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上級者向けの語彙から初級者向けのものまで含まれている。


2) 文法書

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香港で働くメイド向けの本なので英語の対訳、説明があり、日本人にも使いやすい。

発音もダウンロードできる。


日本にもいくつか広東語の本があるけれど、自分が使って役にやったというものは正直無い。


香港で毎日広東語を使っている日本人の私が、学習初期段階で欲しかったと思う2点です。参考にして下さい。


以上