広東語には活用がないのでかなりラクである
外国語の学習でネックとなるのが、動詞、形容詞などの活用です。
例えばフランス語は動詞はもちろん形容詞も活用するので、独学をする場合、ひとつ簡単な作文をするにしても、活用が正しいのかをひとつひとつ確認する必要があります。
しかし、広東語には活用がありません。
例えば「食べる」という意味の「食」は現在形、過去形、未来形の文脈でも「食」と表記されます。
簡単な例をあげると下記のようになります。
1)現在形
我食蛋糕
(私はケーキを食べる)
2)過去形
我琴日食咗蛋糕
(私は昨日ケーキを食べた)
3)未来形
我聽日食蛋糕
(私は明日ケーキを食べる)
過去形は、つい数分前の過去でも、数十年前の過去でも、動詞の後ろに「咗」を加えることで、過去形の意味を表します。
未来形は、ほんの数分後の未来でも、数十年後の未来でも、動詞は活用することはなく、現在形と同じです。
その代わり、時制を表す副詞(ここでは「聽日」)が挿入され、これによってどれくらい先の未来なのかを説明します。
また、名詞には男性名詞、女性名詞などもありません。
したがって、広東語の学習を始めたばかりの人でも、すぐに作文ができるようになります。
広東語については、その代わり、声調が9つもあり、発音が複雑化しているのかもしれません。
私は香港人である自分のカミさんを観察していて、この竹で割ったような性格、というか単純な性格、もう少し正確に言うと、細かいことを全く気にしない性格は、広東語の言葉の影響をもろに受けているのではないかと長年疑っている。
漢字と漢字の間にひらがな、かたかながあり、隙間をうまく埋めるような気づかいをする国民性が日本人にはあるように思えるが、香港人にはそのような気づかいがないと言えると思う。
以上