日本人の私が広東語を勉強するメリット

日本人がいかに独学 低コストで広東語を身につけるか

劉さんの中国語講座

私が新卒としてある日本の企業に就職したころ、

新入社員研修に参加して、ある中国人男性に出会った。

 

この人は劉さんといって、留学生として日本に来て大学院を卒業した理系の学生で、

技術系社員として採用されていた。

 

当時彼は日本語が大変上手く、日本人の日本語とほぼ違いがない程度でしたが、

留学した当時のことを聞くと

 

「恥ずかしい話ですが」と前置きをしてこんなことを話してくれた。

 

留学する前に中国で10000語の日本語単語を覚えてきたが

日本に来て全く会話が出来なかった。

そこで毎日夕方に八百屋に行って、そこで日本の主婦たちに積極的に話しかけ「この大根はいくらですか」などという会話をして少しずつ日本語の力を磨いた。

 

私はその話を聞き、当時必死に日本語を話す彼を想像して好感を持ったことを覚えている。

 

1カ月の研修合宿が終わり、バスで帰途につくことになったとき、私は彼に隣の席に座ってよいかと尋ね、さらに図々しくも、帰途の最中に、普通語の手ほどきをしてくれないかと頼んだところ、快諾してくれた。

当時の私も必死だったのかもしれない。

 

バスが発車し、彼が「劉さんの中国語講座の始まりです」と言って始めてくれた。

そのころの私の普通語はひどかったはずであるが、それを全く意に介さず懇切丁寧に教えてくれた劉さんは今頃どうしているだろうかと思う。

今でも時折思い出しては感謝している。

 

以上