もし今から私が広東語の学習を始めるとしたらどうするか?(3)
「もし今から私が広東語の学習を始めるとしたらどうするか?」の3つ目です。
自分が本当に没頭できる教材を探す。
広東語も含めて、外国語の学習の初期段階は、どうしても無味乾燥になりがちです。
とくに独習している方にとっては、この初期段階で行き詰まってしまうと、せっかく開始したのに放り出したくなってしまいます。
私も広東語の学習を始めたとき、CD付きの広東語の教科書
「はじめての広東語」を使いましたが、はじめの発音「你好(ネイホウ)」を聴いて「なんだこの暗い漢字の言語は?!」と印象が良くなかったと記憶しています。
そしてその後の学習のモチベーションを維持するのが大変でした。
例えば、香港映画が好きな人は、香港映画のシナリオや雑誌を読むことから始めてみる。
例えば、文学が好きな人は、日本の小説を広東語に翻訳している本を入手し、日本語の原作と照らし合わしながら読んでみる。
今では様々な日本の小説が広東語(正確に言うと、繁体字の中国語)に翻訳され、出版されています。
香港の書店や図書館で見受けられるのは、松本清張、東野圭吾、夏目漱石、三島由紀夫、川端康成、堀辰雄などそのほか現代作家の作品もいろいろとあります。
使い勝手という点では、やはり見開きで、広東語訳と日本語原文が見れるほうが便利です。堀辰雄の「風立ちぬ」は映画化されたこともあり、見開きで両言語が見れる本が出版されています。
例えば、歴史が好きな人は、「中英日對譯 日本史」などの本を教科書にする。
いろいろな方法があります。
大切なことは自分が没頭できる、好きなことを教科書にする。
そうすることで、学習初期のつまらない期間をやり過ごすことができるのです。
好きなことに没頭していると、実力以上の知恵が出てくるもので、それが学習を後押ししてくれます。
この教科書探しには十分時間をかけてもよいと思います。
個人的には、私は日本文学が好き、正確に言うと、香港に15年もいて、カミさんが香港人という広東語生活を続いけていると、そうしても日本の文学が読みたくなってしまいますので、松本清張の簡体字版を買って読んでいます。
日本に居住していたら決して読まなかったであろうという文学の本を読むようになったことは、香港に住むことのメリットとして数えてもよいと最近思っています。
以上